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Lesson26 : ヨード制限食
26-1 ヨード制限食
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の病型診断を行うために、ヨード(ヨウ素)を制限した食事を摂ることになります。
ヨードが多く含まれるものとして、わかめ・昆布などの海藻類は有名ですが、意外なものにもヨード(ヨウ素)が含まれています。
ヨード制限を行うための、詳しい情報が掲載されているサイトをご紹介します。
26-2 いろいろなものに含まれるヨード(ヨウ素)
大人のヨードの必要量は1日100~150マイクログラム(0.1~0.15mg)といわれますが、日本人は1~4mg摂取しているといわれます。
日本では昆布からの摂取が最も多く、昆布だしをとったみそ汁1杯で3mgのヨードと計算されています。
外食の場合、調味料など何が入っているかわからないので、ヨード制限食中は、可能な限り外食を控えるのが賢明です。 昆布エキスも様々な食品に使われている頻度が高いので、インスタントみそ汁やだし入りの味噌や醤油、カップ麺や合わせ調味料なども避けるのが無難といえます。 意外なものとして、飲み物の中にもヨード(ヨウ素)が含まれているものがあります。アサヒ飲料の「十六茶」、「アクエリアス」にも入っています。特定の銘柄を禁止するのでは混乱するので、「スポーツ飲料」は全て避けます。 外遊魚は注意が必要で、特に「たら」にはかなり含まれているようです。 また、外国の「塩」にはヨード添加のものがあるので、外国産のポテトチップス、ナッツ、サラミ、ベーコン、ソーセージ、ピザ、パンなども注意が必要です 。 |
26-3 ヨード制限における摂取禁止食品
絶対禁止品目*1 | 海藻類(コンブ,ワカメ,海苔,ヒジキ,モズク,テングサ) 昆布加工品(おぼろこんぶ,とろろこんぶ,昆布茶) コンブだし 及び うまみ調味料 昆布エキス含有食品 ヨード卵 |
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大量摂取禁止品目*2 | テングサ加工品(寒天,ところてん,羊羹) たら 及び たらを使用した練り製品(蒲鉾,ちくわ,はんぺん,ふかし) 貝,えび 青身魚(さば,いわし,かつお,ぶり,にしん) 赤身魚(まぐろ,さけ,ます,シーチキン) 補助栄養食品(サプリメント)*3,自然食品類*3 牛乳 |
【註】
*1:ヨード含量がきわめて多いため,絶対に禁止する品目
*2:ヨード含量は多いものの,大量に摂取しなければ良い品目
*3:成人の1日必要量(150μg)程度のヨードが含有されているものがある.
「うま味調味料」にはグルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどが含まれ、ヨードは検出されない。