クレチン症講座ー上級編

Lesson29 : 気をつけたいこと

29-1 他の病気にかかったとき

大人になると、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)以外の慢性の病気で長く薬を飲むこともでてくる可能性があります。
そうした時に注意が必要です。

チラーヂンSの腸管吸収を抑制するもの スローフィー(鉄剤)
ケイキサレート
マーロックス、アルミゲル(胃薬)
スクラルファート(アルサルミン)(胃薬)
クエストラン、コレバイン(陰イオン交換樹脂)
チラーヂンSの排泄促進 リファンピシン(結核薬)
フェニトイン(てんかん薬)
カルバマゼピン(テグレトール)(てんかん薬)
チラーヂンSの排泄低下 男性ホルモン(ハロテスチンなど)
T4からT3への変換を抑制する  糖質コルチコイド(いわゆるステロイド剤)
ベータ遮断薬(インデラルなど)
抗甲状腺薬(チウラヂールなど)
アミオダロン(アンカロン)(抗不整脈薬)
TBGを増加させる エストロゲン製剤(女性ホルモン)
TBGを減少させる 糖質コルチコイド
男性ホルモン
チラーヂンSにより作用が変化する薬物 ワーファリン(増強)
カテコラミン(増強)
インスリン(減弱)
経口糖尿病薬(減弱)
ジギタリス(減弱)

:たいていの飲み薬(内服薬)は、食後や食間に飲むように指示されています。それに対し、甲状腺ホルモン薬(チラーヂンS)は、朝食約30分前の空腹時に飲むことで吸収が安定し、他の薬との相互作用も防止することができますので、1日1回朝食前の服用が勧められます。