プログラミング教育
石原淳也の活動の中心テーマ。Scratchを基盤に、機械学習・ハードウェア・ARなど先端技術を子どもたちにアクセスしやすい形で届けることを志向している。活動は地域コミュニティ(CoderDojo)と大学制度(青学つくまなラボ)の二つの軸で展開されている。
教育の場
CoderDojo調布 — 草の根・地域コミュニティ
世界的な子ども向け無料プログラミング道場のムーブメント。石原淳也はCoderDojo調布を主催・運営している(2025年現在も継続)。ボランティアベースで、地域の子どもたちが自由にプログラミングに触れられる場。CoderDojoのオープンデータがWell-Being指標に採用された(2025年10月)ことは、この草の根活動の社会的インパクトを示す。→ CoderDojo
青学つくまなラボ — 大学・制度的基盤
青山学院大学のメイカースペース(2023年5月開室)。石原淳也は総合文化政策学部プロジェクト准教授としてフェローを務める。初等部から大学までの幅広い年齢層を対象に、Scratchプログラミング、センサー連動ゲーム開発、3Dモデリング、VR、メタバースなどのSTEAM教育を提供。シニア・フェローの阿部和広氏(Scratch教育の日本における第一人者)との協働関係がある。→ 青学つくまなラボ
Scratch Day
年に一度のScratchの祭典。石原淳也はScratch Day in Tokyoの開催に関わっている。2024年にはつくまなラボが会場となり、CoderDojoと大学の二つの軸が交差するイベントとなった。2023年にはShow & Tell(作品発表会)の運営を振り返るブログ記事を執筆。
二つの軸の対比と補完
| CoderDojo調布 | 青学つくまなラボ | |
|---|---|---|
| 性格 | 草の根・ボランティア | 大学・制度的 |
| 対象 | 地域の子ども | 青山学院関係者(初等部〜大学) |
| 運営 | 個人主導 | 大学組織・企業協賛 |
| 設備 | 持ち込みPC中心 | レーザーカッター、3Dプリンター、VR機器等 |
| 共通点 | Scratchを基盤とした教育、「創ることで学ぶ」哲学 |
両者は対立ではなく補完関係にある。CoderDojoの誰にでも開かれた自由さと、つくまなラボの充実した設備・制度的な裏付けが、石原淳也のプログラミング教育活動の幅を広げている。
教育ツール
Scratchエコシステム
既存のScratch環境を拡張し、高度な技術を「ブロック」として利用可能にする。これにより、テキストプログラミングの壁を越えずに、機械学習やハードウェア制御を体験できる。「〇〇2Scratch」という命名規則で一貫した拡張機能群を開発。→ Scratchエコシステム
主要な拡張機能:
- ML2Scratch(★120) — 画像認識の機械学習をScratchで
- Facemesh2Scratch(★41) — 顔メッシュ検出
- TM2Scratch(★31) — Google Teachable Machine連携
- PoseNet2Scratch(★30) — ポーズ検出
- Scratch2Sphero(★24) — ロボット制御
- ChatGPT2Scratch — 生成AI連携
書籍
→ 著書
教育思想
「万人のリテラシー」としてのプログラミング
プログラミングを「専門家のスキル」ではなく「万人のリテラシー」として捉える姿勢が一貫している。Scratchのブロックベースプログラミングは、この思想の具体的な実装と言える。
Dynabookビジョンとの接続
2025年のブログ記事「生成AIによるコーディングはDynabook完成の最後のピース」は、アラン・ケイのDynabookビジョン — すべての人がコンピュータを創造的なツールとして使えるようになる — と生成AIの関係を論じている。LLMによるコーディング支援が、プログラミングの民主化を完成させるという視座。
「創ることで学ぶ」(Constructionism)
つくまなラボのミッションステートメントでもある「創ることで学ぶ」は、シーモア・パパートの構築主義(Constructionism)の系譜にある思想。Scratchの設計哲学とも深く結びついている。
人的ネットワーク
- 阿部和広 — 青山学院大学特任教授、つくまなラボ シニア・フェロー。Scratchの日本での普及に中心的な役割を果たした人物。石原淳也とはつくまなラボで協働関係にある。
- CoderDojo調布コミュニティ — メンター・参加者のネットワーク
- coderdojo-tokyo(GitHub Organization) — 東京のCoderDojoの技術的な連携